gと烙印(@アニメてにをは)

ジブリにまつわる回想、考察を書いていきます。

2021-12-27から1日間の記事一覧

gと烙印:第7話(全長版)~もののけ姫で病者が差別されている件について

読みさしの本を開いたら、こんな一節が目に飛び込んできて、笑った。《君は何という風変わりな男だろう。貧乏人のくせに、人を驚かせたり、気味悪がらせるようなものを書きすぎるよ。》 「貧乏人のくせに」という難癖が可笑しい。 非論理的だけど、世俗感情…

gと烙印:第7話―タタリと差別について(その6)

僕はジブリを辞めたあと、大学院に進んで、その筋(アニメ、社会問題、差別問題)に造詣が深い仲間に、ぼくの「タタリ病い」に関わる考えを述べた。 みな一様に、ふむふむと納得してくれた。 理解した。 しかし、ただそれだけだった。 僕があの作品の制作中…

gと烙印:第7話―タタリと差別について(その5)

そしてぼくは、周りのスタッフの能無しゆえに何も言えなかったのとは違う理由で、タタリに関わる義憤を宮崎さんにとうとう言わなかった。 ここで談判しても僕の考えなど通りはしないだろうし、もう中盤まで絵コンテが進んでいるのだ。ぼくが抱いていた義憤を…

gと烙印:第7話―タタリと差別について(その4)

「もののけ姫」制作中からおよそ四半世紀が経ったいま、あの当時を振り返りつつ、ジブリを辞めたあと俗世界を渡り歩いてきた結果思うのは《なんと貴重な人材(オレのことです)を失ってしまったことか》ということだ。 あのスタジオで《真に批判的理性》をも…

gと烙印:第7話―タタリと差別について(その3)

え?作品にハンセン病なんて言ってないって? 製作サイドがその示唆を止めたからですよ。 プレス向けの資料のさしかえをするか・しないか談判している監督の姿をぼくは見ている。 そしてさしかえられ、そしてこの時点から、この作品はハンセン病とは関係ない…

gと烙印:第7話―タタリと差別の正当化について(その2)

制作当時、宮崎さんがハンセン病療養所(多摩全生園)を訪れたりしていて、このタタリ病いがハンセン病を暗示しているのはスタジオ内で公然の了解だった。 実際、制作当時、宮崎さんご本人がこのモチーフの扱い方に、社会へ一石投じたような自負を漏らしてい…

gと烙印:第7話―タタリと差別の正当化について(その1)

読みさしの本を開いたら、こんな一節が目に飛び込んできて、笑った。《君は何という風変わりな男だろう。貧乏人のくせに、人を驚かせたり、気味悪がらせるようなものを書きすぎるよ。》 「貧乏人のくせに」という難癖が可笑しい。 非論理的だけど、世俗感情…