gと烙印(@アニメてにをは)

ジブリにまつわる回想、考察を書いていきます。

◆gと烙印◆【02~語り直し】(その4)

 いったいこの抽象的な物言いは何だ?と思われるかも知れない。本題はいつ始まるのだ。
 そういう声が聞こえそうである。
 その非難に対してはこう答えよう。
 たしかに一見迂遠にも見える行程(物言い)だが、このような迂回を経てこそ初めて見えてくる景色があるはずなのではないか。もちろんもっと直線的に進む近道があるのは、ぼくも知っている。多くの者、もっと言ってしまえばほとんどの者が選ぶであろうその近道/ショートカットを介して話し始めれば、多くの読者にはするすると理解が可能だ。そしてともすればその話の多くはすでに知っている話だったりする。
 例え話をいれよう。
 ジブリというスタジオ空間のなかは、一般人のほとんどは立ち入れない。しかしスタジオの中がどうなっているかは、多くのひとが知っているのではないだろうか。実際宮崎駿が新しい作品を作るたびに、ドキュメンタリーをつくるためテレビスタッフが入っている。だからひとびとはスタジオに入れなくとも、その内部をイメージとして知っている。「直線的な近道/ショートカット」とはこのことだ。お互いの共通理解に沿っておおざっぱでイージーな語り方を採用すること。
 しかし一方で、誰とも比較できない独自の獣道をたどってはじめて目撃した「スタジオの景色」を読者の前に立ち上げるには、時間をかけて/忍耐づよく、スタジオとぼくとが触れ合ったあの地点/瞬間へと遠く遠く遡らないと見えてこない光景なのだ。(02は5へつづく)