gと烙印(@アニメてにをは)

ジブリにまつわる回想、考察を書いていきます。

◆gと烙印◆【02~語り直し】(その5)

 しかもこの迂回を経てさえも、ぼくが当時体験したあの風景の/あのアングルをそのまま簡単に/再びたどれるわけでないことはわかっている。
 あの瞬間/あの当時を書きつづることの「語りがたさ」が多少は伝わっただろうか。
 それに対しあなたはこう言うかもしれない。
 「構想」だろうが「小説」だろうが、もったいぶってどうなる?オレが興味があるのはもっとわかりやすく「あのこと」を知りたいだけだ。これから始まり、読み取られるのはジブリのスキャンダル?そうかも知れない。そうにしか読めないひとは確かにいるだろう。
 しかしそうでなく、誠実にぼくの体験を追おうとするひともいるだろう。そうであってもこの物言いは何を読まされているのかわからない、そういう感想は多いだろう。
 だから以下に続く文章でぼくは、わざとずばりとテーマに切り込んで語ってみようと思う。
 ◆
 ぼくはジブリで働いていた。
 日本で知らぬ者がいないと言っても大げさでない、日本の創造性を代表するような、あのアニメスタジオでぼくは働いていた。
 そしてそのスタジオに住まう、この人物もまた日本で知らぬ者がほとんどいないような宮崎駿がぼくを目の前にして言ったのだ。
「お前には才能がある。だからジブリに入るんだ」
 そう言われたのでぼくはジブリで働くことになったのだ。(02その6へつづく)