gと烙印(@アニメてにをは)

ジブリにまつわる回想、考察を書いていきます。

gと烙印:その10~流れに任せて書いてみたら(その4)

 ジブリにもボーナスはあった。作品が出来て公開して、儲かったら儲かった分、出来るだけ社員に還元した。企業を構成する社員・労働者に満遍なく利益を還元する、という社風は宮崎駿さん・高畑勲さんが共産主義シンパだからで、強欲資本主義なゴリゴリな搾取みたいなことはしたくない、その「理想」が固定給であり徹夜労働禁止であり興行収入に応じたボーナスなのだ。

 しかしどうしたってリーダーに金が集まる。そのリーダーたる宮崎さんは、金を多くを持つことに罪悪を感じていた。
 3億円をトトロの森に寄付したとかあったじゃないですか。「もののけ姫」制作中だったか、制作終ってからか記憶にないんですが、その三億円の出どころも税金対策が理由だったかよく覚えていない。なんか宮崎さんが「国に持ってかれるなら、トトロの森だかなんだか知らんが、森がせいぜい長生きするならそっちに金を回す」だか何だか言っていた記憶がぼんやりある。何にしろ三億円(事件じゃないですなあ。妙な符合にギクッとした)を個人で動かせる人物になっていて、そんな自分が歯がゆいと思っている。

 なんでこのエピソードを出したかと言うと、トトロの森に三億円寄付したのは報道されたはずだ。僕もまず、報道されたとスタッフから聞かされて知った口だ。この話には・金にまつわるこの話には、数人のスタッフしか覚えていない余話がくっついている。それを言っておこうと思ったのでこの話を出した。

 いかんせんその金のからくりの詳細を覚えていない。確かに覚えているのは、「税金払ってきた」と言ってスタジオに帰ってきた宮崎さん。ぼんやりした記憶に辻褄を合わせれば、三億円寄付しても払うべき税金はまだある、まあ当たり前な話。で、「これっぽっちしか残らなかったよ」とぺらぺらな封筒をスタッフの前でかざす。どういう払い方・手続きの仕方をしたら、手許に残りの金が封筒に入って握りしめられている、そういう風になるのかよく分からない。現金納付したということなのだろうけど、「持ってかれた」金額を想像すると、「現金で移動するのはヤバイんじゃないの?」と思うのだが、その詳細はのちのち誰かが別の形で正確な形で思い出話してくれることを期待。

 白い普通の封筒から出してみせた金は、三万円と小銭がちょっと。
 で宮崎さんが、「もう、これしか残ったって、どうなるっていうんだ。おい、お前ら(と目の前の数人のスタッフに・僕も含みます)今晩鮨おごってやる、この金で」。

 このエピソードは色々なことが見えてくる。あの人の金に対する潔癖さ。それをパフォーマンスとしてスタッフに誇示したい欲望。でもそのパフォーマンスも照れを含んだ「スタッフをねぎらいたい」という気持ちであるのも分かってるスタッフ。

 肝心の鮨を食べた記憶がまったくないんですけどね。食べに行ったのは確かなんだけど。(その5へつづく)

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