gと烙印(@アニメてにをは)

ジブリにまつわる回想、考察を書いていきます。

gと烙印:その10~流れに任せて書いてみたら(その12)

 ついでにもうひとつ必読書(と言っていいのかな)。
 アニメ一般に対して「なんか気持ち悪いんだよね」と思う人。または「オタクってアニメに何をそんなに熱中しているのかなあ」と不思議に思ってる人。
 そういう人には、『アニメ夜話』という本の「ガンダム特集号」、その座談を読めばよく分かります。「ああ、こういう風に熱中してこんなことをしゃべっているのね」とか「ああ、こういうこと真剣に考えたり信じているから気持ち悪いんだ」とかいうことが、小一時間でざっと読めて、オタクの心のあり様、熱中の様がライブ感として体験できます。

 僕も以前から不思議に思って、だからその生き様が腑に落ちなく思っていましたが、どうしてか理由が自分でも分からなかった。
 宮崎勤事件やオウム事件といった犯罪を契機に起きたオタク分析やオタク自身の自己省察自己批判をあれこれ読んでもやはり腑に落ちなかった。
 大学院時代にオタクでもある院生とは多く接してきた。オタク方面は趣味な人もいれば、オタクの道を研究のレールに敷こうとしていた人もいた。でもどちらにせよ皆、普段「一般人」には自分の趣味嗜好を警戒的に慎重に、知的であろうと説明するので、何か言い訳っぽいなという疑念が拭えなかった。
 そしたらこの『アニメ夜話ガンダム特集号』に出会えた。ガンダムオタクの人たちが無邪気に無防備にガンダムのことを熱く語っています。筋やらテーマやら心理の機微やらキャラ萌えやらあれこれ。ああ、こういうことね、と永年の疑問が体感として氷解した。これはうまく説明できない。でも説明できないでいい。自分のアニメ論にはこれは関係ない、そういうことが分かっただけで十分。
 ガンダムを見ても、ああいうことを喋りたいとは一切思わなかった自分を、十数年越しに発見した。
 声やら音やらが響いているだけの固まっている画面に、僕の方も意識が固まってしまった。そういうアニメだった。そしてそんな風に思ってガンダムを見てる級友がひとりもいなくて、意識が凍りつくしかないあの画面によって、何でこんなに興奮しているのか、疎外感を感じた。あの頃の自分よ、案外見当はずれじゃなかったよ、と声を掛けてあげたい。(その13へつづく)

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