gと烙印(@アニメてにをは)

ジブリにまつわる回想、考察を書いていきます。

【質問箱】RE~その1

ぼくのツイッター上( @animeteniwoha )で質問箱に集まった質問とその回答をまとめて載せます。
その第一弾。

質問箱をやろうとしたぼくの動機は、「フォローしてる皆さんは、ぼくに対しどんな角度から興味を持っているのだろう?」という関心があり、今後の活動の参考にしようと思ったからでした。

さて「質問箱」のサービスをうまく停止するやり方がわからずに「退会」したら、長い文章の答えが尻切れでしか残らない結果になってしまいました。
あらためて回答を書き直しました。正確に再現していないので半分オリジナルな回答になっています。
なかには、新しい回答も交じっています。


★質問1
自分の長所が見つからないんですけど、どうしたらいいでしょうか

■回答1
ひとと「違ってしまうこと」をとことん突き詰めることは、ひとつの方法かもしれません。
この方法は、「自分だけの・本当のオリジナル」を発見する方法ですが、そのかわりにとても辛い作業になります。
それに耐えられたとき、誰にも真似のできないあなたの姿が立ち現れると思います。
その自分の姿をプライドを持って受け入れらたとき、それはあなたの長所なのだと思います。
ぼくもそんな風に生きてきました。
ご参考までに。


★質問2
感想で恐縮なのですが、宮崎さんのアニメに対する概念は日常に対する正確な理解があり、こちら側に物理学の視点もあるとより理解が深まるようにかんじました。そのような視点でアニメーションやイラストレーションを拝見したことがなかったので目から鱗でした。講座をツイートしてくださり感謝です。ありがとうございます。

■回答2
ご感想ありがとうございます。
「作用と反作用」という物理学の言葉を、日常の仕草に応用することについては、警戒するひともいます。わたしも物理にさほど詳しくないまま、使っています。あくまで「イメージとして」理解していただけると助かります。

 

★質問3
スパイダーアースについて、どう思われましたか?個人的には現代のアニメーション表現を軽々と超えられてしまったように思ってショックを受けました。

■回答3
ごめんなさい。観ていません。
ただ、いま予告編だけ観ましたが、デジタル時代の「ひらべったい・セルアニメ」そのものが持つ「セルアニメ特有の表現」を追究していけば、まだまだ「セルアニメであるメリット」は負けないと思います。
それはそれとして、新しい表現にショックをうける感度は持ち続けていってください。

 

★質問4
絵の練習法でおすすめなものがあれば教えていただけたら嬉しいです。

■回答4
ジブリ作品で長年動画チェックをしてきた舘野仁美さんのツイートは、現場に長年携わってきた方ならではの示唆に富む教えを数々教えてくれます。
「動画検査のための備忘録@舘野仁美」
 @HitomiTateno
フォローして過去のツイートを深堀りしてみたらどうでしょうか。

 

★質問5
アニメーションの出来、不出来に関係なく、ご自身が1番好きだと思うアニメ作品は何ですか?理由も教えてください。

■回答5
「出来・不出来に関係なく」というキーワードに沿って言うと、『王立宇宙軍オネアミスの翼』はいまでもぼくにとって大きな作品ですね。
これを言うと驚く人もいると思いますが『オネアミス』は「不出来」な作品だと思います。

オープングのあと、主人公・リイクニが昼寝から起きたとき、寮のなかには誰もいなくて、開いた窓から風が軽く吹き寄せてカーテンが揺れる。
そのカーテンの揺れが「不出来」なんですよね。

自分たちの得意な表現を(元)ガイナックスのひとたちは突き進み、カーテンの揺れみたいな「なにげない・日常の描写」も突き詰めていったら……『エヴァ』シリーズでミサトのマンションでの生活描写はまったく違うものになっていたでしょうね。

そういう意味でも『オネアミスの翼』はアニメの歴史の「あり得た・可能性/失われた可能性」を思い起こさせる貴重な作品だと思います。

 

★質問6
鬼滅の刃や呪術廻戦、シンエヴァンゲリオンなど、特典を用いて興行をあげる映画をどう思いますか?(特典というのは、限定の漫画だったり、パンフレットだったり、描き下ろしのイラストなどです)

■回答6
「どうやって作品を多くの人に観てもらおうか?」と考えての苦肉の商売戦略だから、それはそれでいいんじゃないでしょうか?

ジブリだってジブリ美術館とかジブリパークとか巨大な「特典」を提供していますよね。
ジブリはあの「回路」をつかって、ファンたちに「ジブリ作品群の中を永遠にループ」させてはいないでしょうか。
「いい・加減」なところでループから抜け出せるように出来ていたらいいんでしょうけれど。

 

★質問7
もののけ姫のエボシの里の鍛冶達は、ハンセン病患者の設定だったと思います。
障害者や病人の描写で、ジブリ内で気を付けたことはありますか?
また上映後に反響や問題などは発生しましたか?

■回答7
そういう設定があることは、当時オフィシャルで明らかにしていなかったですし、本編を観ただけではそういう言及は存在しません。
なので何も問題は起きませんでしたし(わたしの知る範囲では)、スタッフも特に何も疑問を感じないで・ハンセン病に関心を持たないまま・作業を進めていました。


★質問8
宮崎さんやジブリの知られていないトリビアをお願いします。

■回答8
制作デスクの重鎮だった川端俊之さんは、関わった作品のすべてのカットを、絵コンテでは何番目にあたるか、そらで言えました。 

 

★質問9
最近の放映中のアニメで舌を巻いた作品はありますか?
作画面、演出面、ストーリー面いずれでもかまいません。

■回答9
基本的にテレビアニメは観ません。
流行に左右されず、何十年と観るに値するものだけに注意していようというスタンスです。
テレビアニメも時間の経過とともに残ったものだけ観ていれば、ぼくみたいな中途半端なアニメ観察者には十分だと思っています。


★質問10
アニメや映画を勉強するのに、意識すべきことはありますか?

■回答10
異質なものを遠ざけないことでしょうか。

ジブリ作品だけでなく、いろんなアニメを観る。
アニメだけでなく、実写もいろいろ観る。
日本の映画だけじゃなくて、海外の映画を観る。
エンタメだけでなくアートフィルムも観る。

たとえばジブリアニメにだけ夢中になるのではなく、ジブリ映画は古今東西・数ある映画の「one of them」 に過ぎないという意識で接することが出来ればいいかなと思います。

(その2へつづきます)

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