gと烙印(@アニメてにをは)

ジブリにまつわる回想、考察を書いていきます。

【質問箱】RE~その9

【質問】
 作業してる時ってどんな音楽を聴きますか?】

【答え】
 ジブリにいたときのことをお聞きですよね?
 部署によって違います。撮影、仕上げ、制作デスクは音楽を聴かずに仕事をしています。
 作画だけ特殊ですね。
 みな、イヤフォンをして(当時はCDプレイヤーの時代)好きな音楽を聞いていました。チャゲ&飛鳥を聴く人もいればブランキー・ジェット・シティを聴く人もいる。宮崎さんと近藤喜文さんだけはラジカセで、イヤホンをせず、周りに音が聞こえる形で聞いていました。宮崎さんは音楽CD、近藤さんはラジオを聴いていることが多かったです。イヤホンかラジカセかは世代の差なんでしょうね。
 わたしは作画の部署にいながら音楽は聴いていなかったです。演出助手はいつなんどき、周りのスタッフから注文やお願いが来るかわからないので、音楽を聞いていては仕事になりませんでした。

 

 

 

【質問】
 アニメ、漫画、映画、ドラマのいずれにしろ、その作品の良し悪し(演出面、ストーリー面、構成面などについて)は科学的根拠があって決まる物ではないと私は思いますが、石曽根さんはどのような観点でその良し悪しの基準をつけていらっしゃるのでしょうか?今まで作品をただ面白い・かっこいいという感覚だけで見ていたので、石曽根さんの視点がとても面白く、参考になり気になりました。

【答え】
 アニメの作品としての出来、良し悪しに科学的な証明方法はありませんが、美学的な面では証明が出来る、とわたしは考えています。
 わたしたちが日々接している国産アニメの作り方はすでに半世紀以上の歴史があり、わたしたちも気づかないうちに「見る・作法」(=審美的作法)を心得えているのだと考えます。
 わたしが特に注目するのは、アニメならではの表現です。実写とも漫画とも違う、アニメ固有の表現・美学を見たいのです。
 それを簡単にまとめると、「作用と反作用」、「ひらべったさと立体性」、「同じものと複数のもの」という点に着目した次第です。
 アニメの表現に注目し、その仕組みをシンプルに括り出す「アニメ表現論」はまだ始まったばかりです。まだ未開拓な分野が広大にひろがっていますので、あなたもチャレンジしてみたらいかがでしょうか?

 

 

 


【質問】
 ジブリ時代は会社でどのようなものを食べていましたか?宮崎さんはお弁当を持参して昼と夜二回に分けていたという話ですがスタッフの方々はどうだったのか興味があります。

【答え】
 宮崎さんは『もののけ姫』当時、昼はお弁当を食べていましたが、夕食はどうしていたのかな…?覚えていませんし、昼夕二回ともお弁当なら、あれ?と思ったでしょうから、おそらく他のスタッフと同じ仕出しを食べていた可能性が高いです。
 外へ食べに行くひともいたし、家が近所なので帰って食べて休憩してからスタジオへ戻るというひともいました。
 『もののけ姫』の追い込みどきは、演出助手だったわたしはスタジオを離れるわけにいかず、昼夜を店屋物を頼んでいて、おかげで半年の間に5キロ太りました。

 

 

 

 

【質問】
 フォローされてる方とフォローされてない方の差は何でしょう?私はフォローされてなくて、友達はされていて、ちょっと悲しいです。

【答え】
 ごめんなさい。こればかりは主観的な判断で決めています。
 プロフィールが面白かったり、しっかりしたことを書いているひとは信頼感があり、フォローしやすいです。
 また、いいねやリツイートのアクションの多さで覚えているひともフォローします。
 それでも、TLを見ているうちに、自分の感覚と合わないなあと思ってしまうと、フォローから外してしまいます。
 でも、そんな残念がる必要もないと思います。わたしはそんな大それた人物ではありません。ジブリに関わったひとなど、世間にごまんといます。わたしはそのひとりに過ぎません。わたしも急に注目されて戸惑っている、ただの中年男です。
 ひとが群れ集まると必ず起こる、些細なすれ違いだと思って、勘弁してください……